子育て雑記

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【雑記】絵本批判「ももたろう 日本昔ばなしアニメ絵本」

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ももたろうっていう昔話、知ってますよね?多分、日本で最も有名な昔話の一つだとおもいます。ちょっと前にも「意識の高い桃太郎」やら「リクルート用語だらけの桃太郎」やらリメイク?されてちょいちょいバズったりバズらなかったりしてますよね。

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これって「むかし、むかし、あるところに」とか、「おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯にいきました」とか、「ドンブラコ、ドンブラコ」とか。細かい違いはあるにせよ、この辺の表現が「桃太郎」という昔話にあるコンテキストとして共有されていて、その表現や内容を継承した改変が面白さを生んでいると思うんですよ。つまり、「桃太郎」という昔話のフォーマットみたいなものが共通認識としてある上で成立してるのかなと。

なんでそんなことを考えたかというと、最近じいじが子供に「ももたろう 日本昔ばなしアニメ絵本」という桃太郎の絵本を買ってきてくれたのですが、その絵本が上記のフォーマットを著しく無視した感じになっているんですね。例えば冒頭からして「むかし、むかし」ではないですし、おじいさんは山へ柴刈りに行かないです。桃が川を流れてくる時の「どんぶらこ、どんぶらこ」という擬音の繰り返しもありません。子供によんであげていて結構びっくりした同時に、なんでこんなことをしたのか、いわゆる昔話としての「桃太郎」ではなくて「桃太郎」という昔話のストーリーを骨子としてリメイクした「ももたろう」をわざわざ作る意図はなんなのかと、頭を悩ませずにはいられませんでした。

結論としては小さな子供が「桃太郎」というストーリーに対して興味を持ってくれるように、エンターテイメントに振り切った感じなのかなと。Amazonのレビューにも書いてありますが表現の改変も多いですし、ももたろうが鬼と戦う場面をやたら詳しく書かれていたりします。まあ、エンターテイメント性を強調して興味を引くのが間違っているとは言わないですがなんていうか金棒をてつのぼうと言ったり、色々方向性に問題があるように思います。ついでに言うと普通に「桃太郎」は多くの人のコンテキストとなっているくらい興味を持たせられる話だと思うので、蛇足というか無駄というか、な改変をするのもどうかと思います。

文化的コンテキストを継承するからこそ昔話に価値があるのではないかなと思ってたりするので、正直この「ももたろう」は決してオススメしないですね。この「ももたろう」を「桃太郎」として理解して育ってしまうと「桃太郎」というコンテクストの中で作られる冒頭のようなウィットを楽しむこともできませんしね。