子育て雑記

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【子育て】子供をご褒美で釣ってもよい?「学力の経済学」を読んで

うちの子は最近ドーナツが好きなんです。保育園から近所のスーパーに行く途中にミスドがあるのですが、常に「きなこかうー(黒糖ポンデリングをきなこと呼んでいます)」と言って入りたがるので、逆に何かあるとついそれを利用して「ドーナツ買ってあげるから」とご褒美で釣ってしまうんですよね。ただ、行動を促すのに物で釣るのはどうなのよ?という気もしなくもないですよね。

と言うことで、色々ネットで調べたところ、賛否両論あるもののどちらの意見もどうもしっくりこない感じでした。ただ、ご褒美で釣ってもよいと言ってる側に何度となく慶応大学の教育経済学教授の中室牧子氏による「学力の経済学」と言う本が出てきました。

気になったので更に調べてみると、林先生が絶賛したとかみたいで結構話題になった本みたいですね。内容も経済学がバックグラウンドなだけに数字ベースのエビデンスに基づいていると言うことで、俄然興味がでて買って読んでみました。 結論から言うと確かにより多くの親に読んでほしいと言える一冊かと。基本的に論旨に対してエビデンスとなる調査及び論文が明示してあるので、気になるところは更に追って調べることもできます。実際一番気になっていたご褒美で釣ることについての論文は

http://www.nber.org/papers/w15898

で見れますが概ね納得できるものかなと。

個人的習慣で良いと思う意見については必ず批判も調べているのですが、この本の内容についての批判は大分弱いですね。エビデンスに基づいた意見を批判するなら、論理構造(何故そのエビデンスが言うべき結論に紐付くのか?)を批判するのか、エビデンス自体の信頼性を批判するか、エビデンスの解釈を批判するかだと思うのですが、多くの批判はそのいずれでもなく、感情的な嫌悪感に基づく批判で昔からそう言われているから間違っている、とか、自分の信じているものが正しいからこの本の論理は間違っている、というどちらかと言うとこの本で批判されている思い込みによる教育論を展開しているだけだったりして、そもそも話にならない感が半端無いです。

個人的には「こどもはほめ育てしてはいけない」と言ってる辺りは突っ込み処があると思っています。というのは上記の根拠を導く論理構造が「子供を誉める=子供の自尊心を育てる」となっていて、読み進めていくと誉め方次第では誉めてもよいと、若干ずれている辺りでしょうか。まあ、無条件に誉め続けるのがほめ育てであるならそれは「してはいけない」ではありますので、明らかにずれてると言う話ではないですが。。

とりあえず、ここまでエビデンスを提示してあって読みやすい教育論の本はあまり見ないので読んだこと無い方には是非読んでみていただきたいです。